ここでは、平成29年度の設計製図試験における
構造関係について書かせていただきます。
平成29年度の設計製図試験は「小規模なリゾートホテル」ですが、
その中で、「斜面地を考慮した計画」とあります。
ということは、構造に関しても斜面地を考慮した計画が必要となってきます。
ざっと、挙げてみると…
①構造種別
②架構形式
③平面形状
④基礎形式
などが考えられます。
いかに順番に詳しく述べていきます。
①構造種別
いつもの場合だと、「建物用途を考慮して、耐震性、耐火性、遮音性の優れた…」
って書くと思いますが、
せっかく斜面地に計画するので、その内容も書く必要があります。
斜面地ということは、
例えば地下1階部分は、地盤面より低いレベルで計画されます。
ということは、土圧が建物に作用してきます。
その土圧には面で抵抗しないといけないので、
地下外壁が必要です。
この地下外壁はRC造で作られる為、
地下部分は必然的にRC造で計画することになります。
地上部分の構造形式は、S造でもできないことはありませんが、
一つの建物で異種構造となると、様々な法的規制があることから、
地上部分もRC造で計画するのが良いと思います。
②架構形式
架構形式に関しては、①で述べた
地下外壁を支えるために外壁の四周に柱・梁のフレームが必要になってきます。
そのため、ラーメン架構とするのが一番安定した架構形式となります。
もちろん、壁式RC造でもできますが、平面計画の自由度が低いことから、
あまりお勧めはしません。
③平面形状
平面形状に関しては、
地下部分があってもなくても同じですが、
建物は整形な平面形状で、極力均等なスパンで計画するのが、
構造計画上でも一番大事なことです。
そうすることによって、各フレームに均等に応力が作用する
(ねじれが小さいという事)ので、
耐震性の高い架構計画となります。
地下部分に関しても、凸凹はあまりない方が良いです。
あっても、グリッドに合わせて計画するのが良いです。
④基礎形式
地盤について、特に課題文で特別な記載がない
(良好な地盤)である場合は、べた基礎で良いと思います。
ただし、昨年(H28年度)で地盤条件を考慮した基礎形式とあったため、
場合によってはべた基礎以外の形式も必要になると考えられます。
(例えば、平屋部分は独立基礎とするとかの方法あり。)
※余談ですが、
実際に斜面地が敷地の場合、高確率で支持地盤は傾斜しています。
また、支持地盤がある程度深い場合(10m以深)、杭基礎とし、
傾斜に合わせて杭長を調整して建物を支持する場合が多いです。