長ったらっしいタイトルですいません…
風荷重で一番よくわからない係数たちについて、解説していきます!!
地表面粗度区分とは、地表面の粗さの程度について区分したものです。
ここでいう「粗さ」とは、計画建物の周辺が建物が多く存在するのか、都市部で高層ビル群が立ち並ぶのか、海の近くで周りに建物があまりないのか、田んぼや畑などが広がり周囲に何も建物がないのかといった状況のことです。
この区分をⅠ~Ⅳまでの4つに区分して表しています。Ⅰの方が周りに何もなく、Ⅳの方が都市部のように都市化が進んだ地域というイメージです。
ちなみに、ⅠとⅣの区域については、「特定行政庁が規則で定める地域」とありますが、ⅠorⅣの区域として定めた特定行政庁はありません。(現状は、ⅡorⅢのみです)
また、上の表でみると、ⅡとⅢの区別がよく分からん!!ってなるので、下図でまとめています。
平均風速の高さ方向を表す係数Er とは?
平均風速の高さ方向を表す係数 Erは、簡単にいうと、高さによる風速の大きさの影響を表した係数となります。高いところの方が風が強くなる(=速度圧qが大きくなる)ので、Erの値も大きくなります。
具体的には、建築物の屋根の平均高さ H(=建築物の高さと軒の高さの平均)と地表面粗度区分に応じて決まります。
下図に、平均風速の高さ方向を表す係数 Erと建築物の屋根の平均高さ Hの関係を示すグラフを示します。
建物高さが高くなるにつれてErの数値が大きくなります。
また、地表面粗度区分との関係ですが、単純に建物(障害物)が少ない方が風が通り抜けやすいので、Ⅰの方が大きくⅣの方がErの数値は小さい値となります。
ガスト影響係数Gfとは、「最大瞬間風速/平均風速」を表したものです。
すなわち、風の強さは常に変動しています。基準風速V0は「平均風速」なので、突風が吹いたりすると基準風速よりも大きい風荷重が作用することもあることから、最大の速度圧(風圧力)の場合を考慮した係数となります。
下図に、ガスト影響係数Gfと建築物の屋根の平均高さ Hの関係を示すグラフを示します。
Erと同様に、建物高さが高くなるとGrの数値も大きくなります。
地表面粗度区分との関係については、Ⅳの方がGrの数値は大きくなります。
これは、新宿などの高層ビル群を思い出してもらうとイメージしやすいのですが、
高層ビルの間にいるとビル風で強い風が吹くと思います。そういった事象を考慮して決められています。
ちなみに、構造骨組用の速度圧qを求める際のE(=Er2×Gf)と建築物の屋根の平均高さ Hの関係は下記になります。