風力係数Cfについては、正直言うとあまり深入りすると混乱していくと思うので、考え方だけイメージできればいいと思います。
ここでは、まず構造骨組用風圧力の算定の際の風力係数Cfについて説明しますが、ピーク風力係数Cfについても係数の数値は異なりますが、考え方は同じです。
風力係数Cfは建物の断面形状や平面形状、屋根形状等に応じた係数であり、壁面、屋根面といった風が当たる部位や風が来る方向毎にそれぞれCfの係数が定められています。
法令集に載っている各数値については、一般的な形状の建物毎に風洞実験を行い、その実験結果を基に定められています。
風力係数Cfは下記によって求めることができます。
Cf=Cpe-Cpi
Cpeは外圧係数、Cpiは外圧係数です。つまり、外圧係数と内圧係数の差が風力係数Cfとなります。
また、外圧係数は、建物を外から押す方向を正、内圧係数は、建物内部から外に押す方向を正とします。
具体的に閉鎖型と開放型の場合の壁面の風力係数について求めてみます。
ここからは、ちょっと難しいかもしれないので読み飛ばしてしまっても構いません。
建物の条件によって、風力係数Cfが変わるということが分かれば大丈夫です。
<閉鎖型建築物の場合>
外圧係数Cpeは、
なので、
Cpe=0.8+0.4=1.2
となります。(kzは計算短縮化のため0としています)
内圧係数Cpiは0か-0.2です。
風力係数Cfは、外圧係数Cpeと内圧係数Cpiの差なので、
(内圧係数Cpi=0の場合) Cf=1.2-0=1.2
(内圧係数Cpi=-0.2の場合)Cf=1.2-(-0.2)=1.4
となり、より数値の大きいCf=1.4が風力係数となります。
<開放型建築物(風上開放)の場合>
(下図のように、風上側は開放であり壁がないので、風上側Cpeは考慮しません。)
内圧係数Cpiは-0.4です。
同じように計算すると、
Cf=0.4-0.6=-1.0
となります。
このように建物の条件によって、風力係数が異なります。