1-1では、「静定力学の基礎」について解説していきました。試験問題では、荷重や部材・支点条件については与えられていますが、実務においては構造計算をする上で最初に荷重や部材・支点について単純な形へ「モデル化」を行います。
ここからは、実際に計算を行っていきます。まずは、単純梁や片持ち梁に荷重が作用した時の支点反力計算の方法について解説していきます。
1-2-1 単純梁と片持ち梁
実際に計算を行う前に、単純梁と片持ち梁について解説していきます。単純梁とは、図1-2-1(a)のように梁の両端部のうち一方がピン支点、もう一方がローラー支点で支持されている梁です。また、片持ち梁とは、梁の端部の一方を固定端とし、もう一方には支点を設けない梁です。
1-2-2 荷重の種類
力学の計算を行う上での荷重には、図1-2-2に示すような集中荷重、等分布荷重、編分布荷重、モーメント荷重があります。
単位については、集中荷重は「kN」や「N」、分布荷重は、単位長さ当たりに作用する荷重なので、「kN/m」や「N/m」と表します。(例えば、等分布荷重では部材全長に均等な力が作用するというイメージです。)また、モーメント荷重は、「kN・m」又は「N・m」と表します。(モーメント=力「kN」×距離「m」です。)