~とある若手構造設計者の徒然blog~

とある組織設計事務所に勤めています。9年目。日々勉強、日々精進ですが、これまで色々感じたこと学んだことなどを書いていきます。

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一級建築士試験 構造Ⅳ【令和元年度(2019年度)No.26】【耐震設計】

 

〔No.26〕建築物の耐震設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1 .純ラーメン構造の場合、地震時の柱の軸方向力の変動は、一般に、中柱より外柱のほうが大きい。

2 .鉄筋コンクリート造の腰壁付き梁の剛性は、腰壁と柱との間に完全スリットを設けた場合であっても、腰壁の影響を考慮する必要がある。

3 .構造特性係数DSは、一般に、架構が靱性に富むほど小さくすることができる。

4 .連層の耐力壁に接続する梁(境界梁)の曲げ耐力及びせん断耐力を大きくすると、一般に、地震力に対する耐力壁の負担せん断力が小さくなる。

 

1 .純ラーメン構造の場合、地震時の柱の軸方向力の変動は、一般に、中柱より外柱のほうが大きい。

<解説>

答は○

純ラーメン構造の場合、中柱(建物の内部にある柱)は、地震時の軸力変動はほとんどありません。
一方、外柱(建物の外周部にある柱)は、地震時の軸方向力が大きくなります。

 

2 .鉄筋コンクリート造の腰壁付き梁の剛性は、腰壁と柱との間に完全スリットを設けた場合であっても、腰壁の影響を考慮する必要がある。

<解説>

答は○

梁に腰壁が取り付いている場合、腰壁と柱との間に完全スリットを設けていても、梁と腰壁は一体となっている為、腰壁の影響を考慮して梁の剛性を求める必要があります。

 

3 .構造特性係数DSは、一般に、架構が靱性に富むほど小さくすることができる。

<解説>

答は○

構造特性係数DSは、架構形式に応じた減衰性や靭性を考慮した低減係数のことです。架構の靭性が富む(=塑性変形能力が大きい)崩壊形(曲げ破壊)であれば、構造特性係数DSは小さくなります。一方、架構の塑性変形能力が小さい(=脆性破壊、せん断破壊等)の場合、構造特性係数DSは大きくなります。

 

4 .連層の耐力壁に接続する梁(境界梁)の曲げ耐力及びせん断耐力を大きくすると、一般に、地震力に対する耐力壁の負担せん断力が小さくなる。

<解説>

答は×

連層耐力壁は、複数の層にわたって耐力壁を計画し、大きな水平力を負担するので耐震壁下部の基礎の引き抜きや耐震壁脚部の曲げ降伏が発生します。
この基礎の引き抜きや曲げ降伏を防ぐために、耐震壁に接続する境界梁を設けています。この境界梁の耐力を大きくすると、耐震壁脚部ががっちりするので、耐力壁の負担するせん断力も大きくなります。

イメージとしては、境界梁の耐力が小さいと、耐震壁が十分耐力を発揮する前に境界梁が破壊してしまい、それ以上地震力を負担することができなくなります。そのため、境界梁の耐力を大きくして、耐震壁を十分耐力を発揮するようにします(=耐力壁の負担するせん断力が大きくなります)。