~とある若手構造設計者の徒然blog~

とある組織設計事務所に勤めています。9年目。日々勉強、日々精進ですが、これまで色々感じたこと学んだことなどを書いていきます。

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一級建築士試験 構造Ⅳ【令和元年度(2019年度)No.30】【構造計画・構造設計】

 

〔No.30〕建築物の構造計画及び構造設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1 .建築物の機能性、安全性、耐久性等の設計グレードを高く設定して、高品質を求めるのは必ずしもよい設計とはいえない。

2 .建築物に作用する荷重及び外力には性質が異なるいろいろな種類があり、取扱いが難しいので、法規及び基規準は、荷重及び外力の数値を扱いやすいように便宜的に提示している。

3 .建築物の高さ方向の剛性や耐力の分布が不連続になる場合には、剛性率に基づき安易に保有水平耐力を割り増すのではなく、地震時の振動性状や崩壊過程を十分に考慮して計画を進める必要がある。

4 .構造物のモデル化において、実構造物により近い複雑な解析モデルを採用することは、計算精度が向上するので、解析結果の検証を省略できるという利点がある。

 

1 .建築物の機能性、安全性、耐久性等の設計グレードを高く設定して、高品質を求めるのは必ずしもよい設計とはいえない。

<解説>

答は〇

建築物の機能性、安全性、耐久性等の設計グレードを高く設定すれば、建築物の耐震性は高まります。しかし、性能を高めると当然コストも上がります。建築物を設計する上では、安全性、耐久性の他にも経済性にも考慮して行う必要があります。

 

2 .建築物に作用する荷重及び外力には性質が異なるいろいろな種類があり、取扱いが難しいので、法規及び基規準は、荷重及び外力の数値を扱いやすいように便宜的に提示している。

<解説>

答は〇

長期荷重や風圧力、地震力といった荷重や外力は、その時々で作用する力が異なります。様々なパターンの荷重や外力を検討するのは、手間が掛かったり取扱いが難しいことから、法規及び基規準は、荷重及び外力の数値を扱いやすいように便宜的に定められています。

 

3 .建築物の高さ方向の剛性や耐力の分布が不連続になる場合には、剛性率に基づき安易に保有水平耐力を割り増すのではなく、地震時の振動性状や崩壊過程を十分に考慮して計画を進める必要がある。

<解説>

答は〇

剛性率とは、建物の高さ方向の変形度合いのことです。剛性率が0.6未満である場合は、保有水平耐力の割増を行って計算を行いますが、設問のような「建築物の高さ方向の剛性や耐力の分布が不連続な場合」は、安易な耐力の割り増しをするのではなく、地震時の建物の形状においての振動性状や崩壊過程を考慮して計画を進める必要があります。

 

4 .構造物のモデル化において、実構造物により近い複雑な解析モデルを採用することは、計算精度が向上するので、解析結果の検証を省略できるという利点がある。

<解説>

答は×

構造計算においては、計画建物の主架構のモデル化を行って、検討を進めていきます。その際に、いきなり詳細で複雑な解析モデルで検討を行うのではなく、まずは簡略化したモデル化で検討を行い、外力等による結果の傾向を把握した上で、必要があれば詳細解析を行います。

いきなり詳細解析を行ってしまうと、詳細モデルの妥当性や検討結果の検証など、より検証を行う時間を要してしまいます。