コンクリート強度といっても色々種類があると思いますが、もう一度整理してみましょう^^
構造計算を行う上での基準となるコンクリート強度です。例えば、コンクリートの許容応力度についても設計基準強度Fcを基準に基づいて決められています。
例:コンクリートの長期許容圧縮応力度=Fc/3
柱や梁の許容せん断強度を求める際や、柱梁接合部のせん断耐力を求める際にコンクリート強度を上げるとせん断強度(耐力)が上がりますが、構造計算では、この「設計基準強度Fc」を上げることで強度(耐力)を上げることができます。(例えば、Fc24→27へ変更)
建物が使用される期間(計画供用期間)に応じた構造体の耐久性を確保するために必要とするコンクリート強度です。計画供用期間が長いほど、コンクリート強度は高くなります。
コンクリートの品質の基準を定める強度で、設計基準強度Fcと耐久設計基準強度Fdの大きい方の値以上となります。
コンクリートの強度を決定する要因のうち、構造計算上必要なコンクリート強度と耐久性を確保するために必要とするコンクリート強度の両方を満足する必要があります。
例えば、計画供用期間が「標準」とした場合、耐久設計基準強度Fd=24となりますが、構造計算上必要なコンクリート強度(設計基準強度Fc)がFc30であれば、品質管理強度Fq30となります。
実務においては、コンクリート強度を設定する際に、耐久設計基準強度Fdにおける「標準」を想定して、設計基準強度Fc24として構造計算を行うことが多いです。
調合管理強度Fm=品質管理強度Fq+構造体強度補正値mSn
実際に現場で打設されたコンクリートの強度が、建物に必要なコンクリート強度である「品質管理強度Fq」であればOKです。しかし、現場により気象条件(天候、気温等)や施工条件が異なることから、場合によっては品質管理強度Fq以下の強度となってしまう恐れがあります。そのため、「構造体強度補正値mSn」分、実際に打設されるコンクリート強度を高くなるようにコンクリートの配合を設定します。具体的には、「構造体強度補正値mSn」は品質管理強度Fqに +3 又は+6とします。
例えば、品質管理強度Fq24とし、構造体強度補正値mSn=+3とすると、調合管理強度Fm=24+3=27となります。
建築現場の実務においては、「呼び強度」というコンクリート強度がありますが、実際に現場で打設する際に、事前の打設計画における(=コンクリート配合計画書に記載される実際のコンクリート強度)際のコンクリート強度の事です。
「調合管理強度Fm」との関係ですが、
「調合管理強度Fm」:気象条件や施工条件ばらつきも考慮した上での建物の品質を担保する上で必要なコンクリート強度
「呼び強度」:調合管理強度Fm以上の強度を満足するために、事前に計画するコンクリート強度
なので、
「呼び強度」≧「調合管理強度Fm」
の関係があります。