~構造設計者こーじの構造解説blog~

一級建築士の構造解説・過去問解説を行っています。某組織設計事務所9年→構造設計事務所。10年目。

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基礎構造の違い 直接基礎と杭基礎

基礎構造とは、その名の通り、上部建物を支持するための構造です。上部構造から伝達される力が基礎構造へ伝わり、最終的に地盤まで伝達されます。つまり、「固い地盤で建物を支持する」必要があります。

 

建物を支持する形式としては、大きく「直接基礎」と「杭基礎」の2種類があります。

 

<直接基礎と杭基礎>

直接基礎:基礎スラブ(耐圧版)により直接地盤へ荷重を伝達して建物を支持する形式

杭基礎:杭を通じて地盤へ荷重を伝達して建物を支持する形式

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<直接基礎>

直接基礎は、上図のように、基礎底に支持層とすることができる硬い地盤がある場合に採用されます。もし基礎底下部の地盤が弱い地盤であっても硬い地盤までの深さが浅い場合(目安としては、支持層までの深さが10m以下)では、弱い地盤の範囲を「地盤改良」して強い地盤とする場合もあります。

 

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また、直接基礎の中でも基礎形式よって「独立基礎」、「布基礎」、「べた基礎」に分けられます。

 

<直接基礎の種類>

独立基礎:柱の下部のみに基礎(フーチング基礎)を計画した形式

布基礎:基礎梁周囲に連続的に基礎(布基礎)を計画した形式

べた基礎:建物の床下全体に基礎(耐圧版)を計画した形式

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<杭基礎>

杭基礎は、支持層までの深さが深い(目安としては、支持層までの深さが10mを超える)場合において、計画する基礎形式です。建物を支持すすることができる硬い地盤まで杭を伸ばして計画することで建物を支持します。