~構造設計者こーじの構造解説blog~

一級建築士の構造解説・過去問解説を行っています。某組織設計事務所9年→構造設計事務所。10年目。

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風荷重 ~風荷重は2種類あるんだよ~

近年、台風などの強風による被害がみられており、身近に感じる機会も多いですが、

建築基準法では、どのように決められているのかを述べていきます。

 

 
 <風荷重の種類>
 

 

まず、風荷重は2種類の荷重があり、検討対象によって異なります。

構造骨組用の風荷重:柱梁の構造骨組(構造フレーム)を検討する際の荷重

屋根吹き材等の風荷重:屋根吹き材(瓦や折版等の屋根材)、外壁材(帳壁)、ガラスなどの外装材を検討する際の荷重

 

また、風荷重は、風圧力W(kN/㎡)として表現します。(単位面積当たりの力として表現します。これって床荷重の時と同じですね!!)

詳細についてこれから説明しますが、イメージとしては、

  • 構造骨組用の風荷重→架構全体に均した荷重
  • 屋根吹き材等の風荷重→局部的に大きな風荷重が作用するので、構造骨組用の風荷重よりも大きな風荷重

と思って頂ければと思います。

 

 
 <構造骨組用の風荷重の求め方>
 

構造骨組用の風圧力W(kN/㎡)は下式によって求めます。

 W=速度圧q × 風力係数Cf

簡単に言ってしまうと、速度圧qと風力係数Cfを掛けたのが風圧力Wとなります。

(※風圧力と速度圧がよくごっちゃになるので注意してください!!)

また、速度圧qは下式によって求めます。(令第87条)

 q=0.6×E×V02

  E=Er2×Gf

ここで、Eは建物の高さや建物周囲の状況(ガスト影響係数Gf)による影響を表した係数、V0は基準風速を表します。

また、Eを求める際に出てくる、Erは平均風速の高さ方向を表す係数、Gfはガスト影響係数です。

 

 
 <屋根吹き材等風荷重の求め方>
 
屋根吹き材等風圧力W(kN/㎡)は下式によって求めます。(告示 平建告第1458号)
 W=\bar q×\hat Cf
ここで、\bar qは平均速度圧、\hat Cfはピーク風力係数を示します。
また、平均速度圧\bar qは、下式となります。
 \bar q=0.6×Er2×V02
 ここで、Erは平均風速の高さ方向を表す係数、V0は基準風速を表します。
 
色々記号が出てきて混乱し始めるかもしれませんが、
解説しております!!